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失業率の裏側にある「働きたいのに働けない」――未活用労働を読むための統計ガイド

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失業率だけでは労働市場を語れない

失業率は、仕事を持たない人のうち、仕事を探し、すぐに働ける状態にある人がどの程度いるかを示す指標です。フランス、ベルギー、カナダなど、制度や雇用慣行が異なる国を比較するときにも使いやすく、景気や雇用情勢を把握する入口になります。

しかし、仕事がない人のすべてが失業率に含まれるわけではありません。仕事を探すことをいったん諦めた人、働く準備はあるものの直ちに働けない人、短時間の仕事を持ちながら、より多く働きたい人は、通常の失業率だけでは十分に表れないことがあります。

そのため、失業率が低いことだけを見て、「働きたい人が少ない」「雇用環境が良い」と判断するのは慎重でなければなりません。重要なのは、失業率を労働市場の一部を照らす指標として読み、周辺にいる人々の状態も合わせて見ることです。

未活用労働を示す指標とは

ILOの統計には、失業者だけでなく、潜在的な労働力を含めて、労働力の未活用を捉えようとする指標があります。これは、現在の失業率では見えにくい「働く可能性を持つ人々」を含めて、雇用との距離を考えるための手がかりになります。

たとえば、仕事を探しているものの、すぐに働けない人や、すぐ働けるものの求職活動をしていない人がいます。こうした人々は、統計上の失業者とは異なる区分に置かれる場合がありますが、労働市場とのつながりが完全にないとは限りません。

また、就業者として数えられていても、希望する労働時間に達していない場合があります。雇用されているかどうかだけでなく、どの程度働けているのか、本人がどのような就業を望んでいるのかを考えることで、雇用の実態をより立体的に把握できます。

統計を読むときの使い分け

見たいこと参考になる統計読み取る際の注意
仕事がなく求職している人の割合失業率求職活動や就業可能性の定義を確認する
失業者以外の潜在的な労働力失業と潜在労働力を組み合わせた指標失業率に含まれない人々にも目を向ける
年齢や性別による違い年齢別・性別の失業率全体の割合だけで判断しない
短期的な変化季節調整済みの失業率季節要因を除いた系列かどうかを確認する
国際比較OECDやILOの比較統計国内定義、モデル推計、調査方法の違いを確認する

この表から分かるように、同じ「失業率」という言葉でも、目的によって見るべき統計は変わります。短期の変化を知りたい場合と、国の労働市場を比較したい場合では、適したデータの読み方が異なります。

国内統計と国際統計を混同しない

デンマークの統計表には、季節調整済みの労働力状態と、季節調整をしていない労働力状態の両方を確認できる資料があります。前者は月ごとの季節的な揺れを抑え、変化の方向を見やすくするのに役立ちます。一方、季節調整をしていない統計は、実際の時期ごとの状態を反映しやすいという特徴があります。

OECDの統計には、月次の失業率や、年齢階級・性別に分けた雇用と失業の指標があります。ILOには、性別や年齢別の失業率に加え、モデル推計による国際比較用のデータがあります。これらは国をまたいで比較しやすい一方、各国の調査結果をそのまま並べたものとは限りません。

したがって、統計を比較するときは、数字の大小だけでなく、国内推計なのか、国際的な定義に基づく推計なのか、モデルを用いているのかを確認する必要があります。指標の作り方が異なれば、同じ国についても見える姿が変わる可能性があります。

読者が確認したい三つの視点

失業率を読む際には、第一に「誰が失業者として数えられているか」を確認します。第二に、失業率に含まれない潜在的な労働力や、十分に働けていない就業者が把握されているかを見ます。第三に、季節調整、年齢・性別の区分、国内統計と国際比較統計の違いを確認します。

この三つを意識すると、失業率を単純なランキングとしてではなく、働く機会と労働市場への距離を考えるための指標として読めます。国によって制度や雇用の形は違っても、「仕事がない人」と「働きたいが十分に働けない人」を分けて考える必要性は共通しています。

出典

https://www.statbank.dk/AKU101K

https://www.statbank.dk/AKU131A

https://www.statbank.dk/AKU111K

https://www.statbank.dk/AKU121K

https://data-explorer.oecd.org/

https://data-explorer.oecd.org/

https://ilostat.ilo.org/data/

https://ilostat.ilo.org/data/